
「朝からしっかり食べたいけど、体重は増やしたくない…」
朝からしっかり食べたい派の人の中には、そう悩んでいる方も多いのではないでしょうか。とはいえ、我慢しすぎるとストレスが溜まり、結局ドカ食いにつながってしまうことも。
実は、朝ごはんをちょっと工夫するだけで、満足感をしっかり得ながら太りにくい身体づくりが可能です。ここでは、太らない朝食のポイントと、コンビニで買えるおすすめ商品をご紹介します。

朝ごはんは、単に「お腹を満たすだけの食事」ではありません。代謝のスイッチを入れ、血糖値や腸の働きなどを整える重要な役割があります。
ここでは、どんな効果があるのかを見ていきましょう。
朝食を摂ることで、体内の「代謝スイッチ」がオンになります。しっかり朝ごはんを食べると、内臓の動きがよくなり、体温が上昇します。
逆に朝食を抜くと、体温が上がりにくく、なかなか代謝が上がらなくなってしまうことも。太らないようにするには、代謝をアップさせることが大切です。
エネルギーを消費しやすい体質づくりのために、朝食をしっかり摂る必要があります。
朝ごはんを抜くと、前日の夕食から昼食までの時間が半日以上空くことになり、体は飢餓状態になります。空腹が続くと、体は「エネルギーを早く補給したい」と反応し、次に食事を摂ったときに血糖値が急激に上がりやすくなるのです。
血糖値が急上昇すると、それを下げるためにインスリンが大量に分泌されます。インスリンの作用で余った糖は脂肪として体に蓄えられ、体脂肪がつきやすい状態になってしまいます。
さらに、急激に上がった血糖値はすぐに下がり、低血糖状態に戻るため、体は再びエネルギー補給を求め、間食や昼食を食べ過ぎてしまうことも。
つまり、朝食をしっかり摂ることで、血糖値の急上昇を抑え、昼食やその後の食事での過食を防ぐことにつながります。
朝ごはんを抜くと、エネルギーを補給するために、筋肉を分解してしまいます。筋肉量が減少する可能性があるのです。
太らない体質を作るには、消費エネルギーの多い筋肉を維持することが大切です。筋肉量を維持するために、筋肉を作る栄養素であるタンパク質を朝ごはんで摂取しましょう。
朝食は腸を目覚めさせる働きもあるため、便秘の改善や予防効果を期待できます。
とくに、朝食でしっかり水分を摂ると、便秘改善に効果的です。牛乳や豆乳などでタンパク質を補いながら水分を摂ると、一石二鳥になります。
朝食は、体内時計を整える役割があります。朝食を毎日決まった時間に摂ることがポイント。体内時計が正常化すると、睡眠のリズムもよくなり、眠りやすくなります。太らない体質になるには、睡眠も大切です。
朝食で体内時計をリセットすることは、健康管理と体重管理の両方に効果的です。

太らない朝食を作るためには、何をどの順番で、どれくらい食べるかが重要です。ここでは、朝から満足感を得ながら太りにくくする具体的な工夫を紹介します。
朝食で大切なのは、タンパク質と食物繊維をしっかり摂ることです。
タンパク質は筋肉の維持に必要で、基礎代謝を高める効果があります。また、食物繊維は腸内環境を整え、便通を改善するだけでなく、噛むことで満腹中枢を刺激し、自然と食べ過ぎを防ぎます。
例えば、サラダチキンや卵、ヨーグルトと一緒に、海藻、きのこなどを取り入れると、満足感が高く、太りにくい朝食になります。
血糖値の急上昇を抑えるためには、低GI食品を選ぶことがポイントです。
白米や食パンよりも、玄米や雑穀米、そばやライ麦パンなどの食品は、血糖値の上昇が緩やかであるため、昼食や間食での食べ過ぎを防ぎます。脂肪が付きにくい状態にするサポートにも。
さらに、低GI食品とタンパク質を組み合わせることで、血糖値が安定し、体脂肪がつきにくい状態を作れます。
朝から温かいスープや味噌汁、ホットドリンクを摂ることで、体が内側から温まり、代謝が促進されます。温かい食べ物は、胃腸を冷やさないためにもおすすめです。
スムージーやヨーグルトなどの冷えた食べ物を摂るときには、レンジで少しだけ温めると、胃腸を冷やしにくくなります。早めに冷蔵庫から出しておいて、常温に戻すだけでも効果的。(ヨーグルトは加熱しすぎると分離したり乳酸菌が減る可能性がありますので、あたためすぎないように注意)
満腹感を得るには、よく噛んで食べることが大切です。早食いをすると、食べ過ぎや消化不良の原因になるため、1口につき20〜30回は噛むことを意識しましょう。
ながら食べをしないこともおすすめです。ながら食べとは、スマホやテレビなどを見ながら食べること。
何かをしながら食べていると、つい噛む回数が少なくなってしまいます。よく噛むことを意識しながら、ゆっくり食べましょう。
朝食は、食べる順番を工夫するだけでも血糖値のコントロールに効果的です。おすすめは「野菜→炭水化物」の順番。
最初に野菜を摂ることで血糖値の上昇が緩やかになり、最後に炭水化物を摂ることで、消化や吸収が緩やかになります。
さらに、野菜を食べてから炭水化物を食べるまでに10分以上の時間が空くことが理想的です。そのためには、よく噛んでゆっくりと食べることが大切ですね。
朝食のカロリーは、1日の摂取目安の約30%を目安にするとバランスが取りやすくなります。
30~49歳の男性の場合、普通レベルの活動をする人なら、1日の摂取カロリーは2,700kcalが目安です。つまり、朝食では810kcalを目安と考えておくとよいでしょう。
このカロリーの朝食は、多すぎず少なすぎず、朝から満足感を得つつ、昼食や間食での過食を防ぐのにちょうどよい量です。カロリー配分を意識することで、体脂肪の蓄積を抑えながら、エネルギー管理ができるようになります。
朝起きてから30分以内に朝食を摂ることは、体内時計のリズムを整え、代謝をスムーズに動かす上で重要です。
起床後30分以内に低GI食品やタンパク質を摂ることで、血糖値を安定させながら満足感を得やすく、太りにくい1日をスタートできます。

朝食選びで失敗すると、食べる工夫をしても太りやすくなってしまいます。とくに糖質や脂質が多く、満腹感が得にくいメニューは避けましょう。
パンケーキは見た目も豪華で食欲をそそりますが、糖質が多く、血糖値が急上昇しやすいメニューです。糖質が多い朝食は、インスリンが大量に分泌され、脂肪として体に蓄積されやすくなるため、太らない朝ごはんとは真逆の存在に。
朝からしっかり満足感を得たい場合は、パンケーキよりもタンパク質と食物繊維を組み合わせたメニューを選びましょう。
菓子パンは手軽でおいしいですが、油と糖が多く、栄養バランスが偏りやすいのがデメリットです。朝から菓子パンだけだと血糖値が急上昇しやすく、その後の空腹感や食べすぎにつながります。
太りにくい朝食を目指すなら、菓子パンよりも卵やウインナーなどのタンパク質が入ったパンを選ぶのがおすすめです。
ジャムを塗ったトーストやバナナだけなど、甘いメニューだけの朝食は、一見ヘルシーに見えますが、糖質が中心でタンパク質や食物繊維が不足しやすいという問題があります。
トーストを食べるとしても、ジャムよりも、タンパク質を補えるチーズやハムと合わせるとよいでしょう。甘い朝食を取り入れる場合でも、卵・豆腐・ヨーグルトなどのタンパク質と一緒に食べることが大切です。

忙しい朝でも、コンビニ商品を上手に選べば満足感のある太らない朝食が作れます。ここでは、各コンビニ別のおすすめメニューを紹介します。
忙しい朝でも、セブン-イレブンでは「低糖質・高たんぱく・食物繊維あり」という条件を満たす商品が揃っており、太りにくい朝ごはんを手軽に選べます。温かいお味噌汁もあり、水分を摂りながら、体を温められます。
合計カロリーは563kcalと控えめで、ちょっとしたデザートも追加できるほど。手軽に購入できて、満足度の高い朝食を摂れます。
タンスティックは、おやつとしても優秀です。1本あたり76kcalと低く、食べ応えも抜群。胡椒がしっかり効いており、満足感があります。
鶏塩スープは、野菜がたっぷり入っており、満腹感が得やすいのが特徴です。タンパク質もしっかり摂れるため、朝食にぴったり。トルティーヤとの相性もよく、朝からガッツリ食べたい人も満足できるメニューです。
ローソンはヘルシーなパスタやラーメンの商品が豊富です。麺類が食べたいときには、ローソンがぴったり。今回紹介したパスタとラーメンは、タンパク質も豊富で朝食向きです。
デザートには、ヨーグルトがおすすめ。142kcalとヨーグルトとしては、少しカロリーが高めに感じるかもしれませんが、ドライフルーツとナッツが入っており、しっかり咀嚼するため、満足度が高いです。

朝ごはんは、代謝をアップし、太りにくい体質を作るためにも大切な食事です。ポイントは、タンパク質と食物繊維をしっかり摂り、低GI食品を選ぶこと。そして、温かいスープなどで体を温め、よく噛んでゆっくり食べましょう。
朝ごはんをしっかり食べたいけれど、準備する時間がない…という人は、コンビニで買ってもOK。サラダチキンや雑穀おにぎり、野菜スープなどを組み合わせれば、手軽に満足感のある朝食が作れます。
無理せず続けられる形で、朝ごはんを見直してみましょう。