水道工事業の作業着として誕生した“スーツに見える作業着”のことを聞いたことがありますか? ストレッチ、撥水、速乾、耐久性があり、自宅でTシャツ感覚で洗濯できてしまう作業着・・・いえ、オシャレな高機能スーツのことです。
そのスーツの名は、WWS。そのWWSが、今回ラグビー業界とコラボ。ジャパンラグビーリーグワン所属のクボタスピアーズ船橋・東京ベイのオフィシャルスーツをコラボ制作されたとのニュースが舞い込んできました。
L-Lifeでは以前にもアメフト選手のファッション事情を取り上げてきましたが、ラグビー選手も体ががっしりされているので、なかなかしっくりくる服がないのですよね。
そんな中での、今回のコラボニュース。オフィシャルスーツの制作にあたっては、選手の体を3Dスキャニングすることで、よりフィット感が得られるように工夫されたとのこと。
クボタスピアーズモデルのWWSスーツは、既に先行予約販売を実施中で、正式販売は2022年2月初旬からだそう。またずれなどの擦れにも強く、とにかく扱いやすいとウワサの作業着スーツ。一体どんなものなのか、ちょっと気になりませんか?
WWSの企画販売を行う企画・販売する株式会社オアシススタイルウェア広報の岩見さんに、WWSのことや今回のコラボレーションについて、あれこれ聞いてみました。
–WWSとはどんなスーツなのでしょうか?概要から教えていただけますか?
岩見さん:WWSというブランドは、水道工事業の作業着として開発されたのが始まりです。会社の創立10周年を記念し、若い世代からも受け入れてもらえるようなユニフォームを刷新しようと試みた結果、スーツみたいな作業着を作ることになりました。でも、なかなか水道工事業の作業着として納得のいく素材がなく……。最終的に生地まで自分たちで作ってしまったというところです。
「スーツ」というアイディアを形にするため、東海の小さな生地メーカーとタッグを組み、速乾・撥水・ストレッチ・イージーケア・丸洗い可能といった機能を備えた高機能素材「ultimex/アルティメックス」を開発。構想から完成までには約2年もかかったとのこと。
こうして誕生したWWSは、口コミによって同業他社にも導入され、完成翌年の2018年3月に正式販売スタート。2021年10月時点で1600社に導入されるというヒットぶりです。
–WWSの全ての服に使用されているultimexという素材ですが、スーツといえば着たらクリーニングに出さなくてはならない、自宅で洗えないという手間や不便さがありますよね。しかも、よく汗をかく人なら、汗のニオイや汚れも気になります。そういう点で、メンテナンスがとてもラクそうです。特徴を教えていただけますか?
岩見さん:アルティメックスをひとことで表現すると、365日Tシャツ感覚で自宅で洗っていただけるような素材です。先ほどもお伝えしたように、ストレッチ性があるのでよく伸びますし、水や汚れに強く、速乾機能もあります。夏場なら2時間程度、冬場でも3時間くらいで乾きます。シワにならない形態安定加工もあるので、クルクルっと丸めてカバンに入れ、取り出して着ても大丈夫なんです。あとは、素材自体の軽さも特徴です。例えばメンズのMサイズのジャケットでは、たったの325g。体に負担がかからない点も、着心地の良さの秘訣です。
–ちなみに、今回コラボレーション制作されたクボタスピアーズ船橋・東京ベイのオフィシャルスーツでは、通常のWWSスーツとどう違うのでしょうか?
岩見さん:今回制作したクボタスピアーズ船橋・東京ベイのオフィシャルスーツでは、通常のWWSスーツにある機能に加え、デザイン面にも工夫があります。ボタンホールやパイピング、胸ポケットチーフにチームカラーであるオレンジを取り入れ、ジャケット内側にはチームロゴプリントがあります。それから、この時世に合わせ、マスクが収納できる抗菌ポケットもついています。
マスク用のポケットがあるのはすごく助かりますよね。スーツってポケットが少ないものもありますが、WWSではジャケット・パンツ合わせて最大13個のポケットを搭載し、収納力にも優れているそう。
他にも、パンツは、裾をダブル仕様でカジュアルダウンし、革靴にもスニーカーにも合わせやすい絶妙なアンクル丈。ワイシャツには360°ストレッチ・吸水速乾・UVカット・しわになりにくい高機能性を備える自社開発素材「ultimex for SHIRT」を使用し、ボタンとボタン糸にジャケット同様オレンジのアクセントが加えられています。
カラー:ダークネイビー
サイズ:S・M・L・LL・3L
価格(税込):19,800円
カラー:ダークネイビー
サイズ:S・M・L・LL・3L
価格(税込):13,200円
カラー:ホワイト
サイズ:S・M・L・LL・3L
価格(税込):8,250円
–今回の制作の中で一際めずらしいのが、大学と協同で行われた3D(※1)計測です。詳しく教えていただけますか?
岩見さん:今回のコラボレーションで特に注目していただきたいことは、デザインだけでなく3D計測を経てパターン設計を行ったことです。クボタスピアーズモデルでは、選手の体を3D計測し、そこから得たデータに基づいてアバターを作成。アバターの着想シュミレーションを行っていくことで、フィット性を高めました。
選手の体に合ったスーツのパターンを設計するため、ポータブルな3Dボディスキャナー(3D BODY SCANNER SCUVEG4)をクボタスピアーズ船橋・東京ベイのクラブハウス内に設置して選手54人を計測。計測後、一部の選手については独自のパターン設計方法で個人に合わせたパターンを自動生成しました。仮縫いの代わりに3D-CAD 内で選手の体をトレースしたアバターを作成し、着装シミュレーションを行ったのちにパターンを修正することで、フィット性を高めています。
※1 3D計測は、京都女子大学家政学部・渡邊研究室の協力を得て行われました。京都女子大学家政学部・渡邊研究室では、3Dスキャンを利用し、スポーツマンを含む日本人の身体のデータを収集し、体形の分析をしています。
–WWSのスーツの着心地は、実際どのような感じなのでしょうか。
岩見さん:着心地としては、動きやすいという声をいただいています。特に肩まわりなどは、ストレッチ性があるので窮屈な思いをせずに着ていただけるようです。今回のラグビー選手の皆さんのように、スポーツをされていると体ががっしりしていて、ズボンのまたずれれなどが起こりやすいそうですが、耐摩耗性に優れている(※2)ので安心していただけます。
※2 摩耗性には強いが、熱が発生するような擦れは、素材の性質上多少強度が落ちることもあるとのこと。例えば転んだ時など。
ちなみに、一般的なスーツと WWS を着用した際の心理的評価を表す脳波を比較調査した結果はこちら。
鹿屋体育大学と行った受託研究では、WWS だと着用時の快適度が高く、疲労感を与えにくいことが判明。また、作業効率を図る実験では、WWS 着用時は一般的なスーツに比べて他の環境に干渉されづらい状況にあり、認知機能が優れ集中力が向上する傾向があることも明らかになったそうです。
いくらオシャレとはいっても、サイズがなければ結局着られませんから、意味がありません。L-lifeマガジンの読者の皆さんは、これまで幾度も「着たい」という気持ちを諦めた経験があるはず……。だからこそ、サイズがあるのかないのかということは、とっても重要ですよね。
今回ご紹介したクボタスピアーズモデルは、3Lまで。通常モデルのWWSスーツであれば、なんと5Lまでサイズ展開があるものも!
岩見さん:冒頭でもお話ししたように、WWSスーツはもともと水道工事業の作業着からスタートしたという経緯もあり、様々な体型の人が着用することを想定しています。どうしてもカバーしきれない部分もあると思いますが、できるだけ多くの人に着用していただけるように作られています。それだけでなく、サイズが変わっても同一価格であることも喜んでいただいています。
サイズが変わっても値段が同じというのは、すごくありがたいですね。
「どうせサイズがないんでしょ…」といつも諦めてしまっている人も、一度トライしてみてはどうでしょうか!
WWS公式サイト
https://www.workwearsuit.com/
クボタスピアーズモデル販売ページ
https://www.workwearsuit.com/shop/contents/kubota-spears
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