
「ダイエットを始めてもすぐ空腹に負けてしまう」
「100kgを超えてから、内臓脂肪や血糖値が本格的に心配になってきた」
そんな悩みを抱える30〜50代の男性におすすめなのが「オイルファーストダイエット」です。食事の最初に良質なオイルをプラスするだけで、血糖値コントロールや満腹感キープに役立つと言われ、食事制限が苦手な人でも続けやすい方法として注目されています。
この記事では、オイルファーストダイエットのメリット・デメリット、そして今日から始められる実践法をわかりやすく解説します。

オイルファーストダイエットとは、食事の最初にオイルを摂ってから食べ始めるダイエット法です。先にオイルを摂ることで血糖値の急上昇を防ぎやすくなり、食後の眠気やだるさの原因となる「血糖値スパイク」を抑える効果が期待できます。
さらに、オイルを摂取するとGIPというホルモンの一種が分泌されます。このGIPは、食欲を抑えるホルモン「レプチン」の働きを高め、満腹感をサポートしてくれます。
特に体重100kg以上の男性は、内臓脂肪の蓄積や食事制限の継続が難しいケースが多いもの。オイルファーストなら、「食べ始めだけ気をつける」という続けやすさがあり、生活に取り入れやすい点も支持されています。
「オイル=太る」というイメージがあるのは、オイルが1gあたり9kcalと高カロリーだからでしょう。しかし実際には、良質なオイルは脂肪の分解促進や脂肪合成の抑制にも役立つことがわかっています。
むしろ極端にオイルを減らすほど、代謝が落ちて痩せにくくなることもあるのです。

オイルファーストダイエットは、血糖値コントロールや満腹感キープなど、食事制限が苦手な人でも続けやすい点が大きな魅力です。ここからは、オイルファーストによって得られるメリットを具体的に紹介していきます。
食事の最初にオイルを少量摂ると、小腸上部のK細胞からGIPというホルモンの一種であるインクレチンが分泌されます。このGIPはインスリンを適度に分泌する働きがあり、これにより血糖値の急上昇の抑制が期待できるのです。
急激な血糖値の上昇と下降(血糖値スパイク)は、眠気・だるさ・脂肪蓄積の原因。オイルファーストで血糖値が安定しやすくなると、こうした不調を防ぎ、太りにくい身体づくりに役立ちます。
オイルの摂取はレプチンの働きを高め、満腹中枢に作用します。そのため、食欲がコントロールしやすくなり、自然と食べる量を減らせます。
食事の量が多くなりがちな男性や、空腹に弱く「つい食べすぎる」タイプの人にぴったり。急なドカ食いや間食を防ぎやすく、カロリーコントロールが苦手な人でも続けやすい点がメリットです。
アメリカ・ハーバード大学の研究によると、オイルの摂取が少ないと1日300kcal代謝が落ちるというデータも報告されています。つまり、オイルをしっかり摂取することで、代謝アップを目指せます。
30〜50代は代謝が落ちやすい年代。エネルギー効率を保つためにも、良質なオイルは重要です。
血糖値が安定すると、食後の眠気やだるさが起こりにくくなります。
特に昼食後のパフォーマンスが下がりがちな人には効果を感じやすく、集中力の維持にも効果的です。血糖値の乱高下は疲労の原因になるため、オイルファーストで安定させることは疲れにくい体をつくる基盤になります。
オイルのコクと満足感は、濃い味付けがなくても料理を「おいしい」と感じやすくしてくれます。
結果的に、過剰な塩分を使わなくても満足できるようになり、自然と塩分量を減らせます。高血圧が気になる人や健康診断で注意を受けた人にとって、味付けを変えずに塩分を抑えられるのは嬉しいポイントです。
オイルの種類によっては、中性脂肪を下げる働きがあるものもあります。そのため、オイルの摂取によって、内臓脂肪の減少に役立ちます。
内臓脂肪は血糖値・血圧・脂質と深く関わっているため、内臓脂肪が減るだけで健康診断の数値改善が進むケースが多いのが特徴です。

オイルファーストには多くのメリットがある一方で、注意すべき点も存在します。
ここでは、実践前に押さえておきたいデメリットを確認し、オイルファーストダイエットを始めるときのポイントを理解しておきましょう。
オイルファーストは本来、中性脂肪の減少や内臓脂肪の改善が期待できる方法ですが、質の悪いオイルを選んでしまうと逆に中性脂肪を増やす原因になります。
パーム油、揚げ油の使い回しは炎症を引き起こし、脂質代謝を悪化させる可能性も。オイルの種類や質に注目し、適切なものを選ぶことが大切です。
また、中性脂肪や肝機能が高い人は特に注意し、医師に相談した上で質のよいオイルを選びましょう。
オイルは1gで9kcalと高カロリーなため、量を誤ると簡単にカロリーオーバーになってしまいます。オイルファーストだからといって摂りすぎず、食事全体のバランスと合わせて調整することが大切です。
1日あたりの脂質の摂取量は、成人男性の場合75g前後、成人女性の場合56g前後が目安です。自分に必要なオイルの量を把握しておくとよいでしょう。

オイルファーストは、正しい方法で行えば血糖値コントロールや満腹感キープに大きく役立ちますが、オイルの種類や扱い方を間違えると逆効果になる可能性も。
ここでは、オイルファーストを安全かつ効果的に行うために押さえておきたいポイントを解説します。
オイルファーストでは、どんなオイルを使うかが重要ポイントです。
酸化したオイルなどの質の悪いオイルは、炎症や脂質異常を招くリスクがあるため避けるほうがよいでしょう。また、摂りすぎると血中LDLコレステロールの増加につながるバターやラードなどの飽和脂肪酸も、摂取量には気を付けなければなりません。良質なオイルを適量使うことで、血糖値の安定・内臓脂肪の減少といった効果を得やすくなります。
マーガリン・ファットスプレッドに含まれるトランス脂肪酸は、心臓病のリスクが高まるとされているため、避ける必要があります。
そして、サラダ油やコーン油などに含まれるオメガ6系脂肪酸を摂りすぎると、体内の炎症を促進しやすく、血液が固まりやすくなる原因になります。
オイルファーストの効果を最大化し、健康的にダイエットするには、これらの油を可能な限り減らすことが大切です。健康診断の数値悪化を防ぐためにも、オイルの質にこだわりましょう。
揚げ油を繰り返し使うと酸化が進み、有害物質が発生しやすくなります。酸化した油は体に炎症を引き起こし、胸やけの原因になることも。
外食や総菜の揚げ物は酸化油が使われていることも多いため、注意しましょう。オイルファーストの効果を損なわないためにも、酸化したオイルを摂取しない工夫が大切です。
加工食品や外食には、想像以上に多くの「質の悪いオイル」が使われています。
ラベルを見て、飽和脂肪酸が多く含まれる「パーム油」、オメガ6系脂肪酸やパーム油が多く含まれる「植物油」「ショートニング」をチェックすることが大切です。
ラベルを確認して選ぶ習慣をつけるだけで、体内に取り込むオイルの質がよくなり、オイルファーストの効果が高まります。
さらに、料理にかけるオリーブオイルなど、見えやすいオイルだけでなく、加工食品に含まれる見えにくいオイルへも意識を向けると、摂取量が分かりやすくなりますよ。

オイルファーストダイエットは、少しの工夫で生活に取り入れやすいのが魅力のひとつです。
特に空腹に弱かったり、食べ始めると止まらないドカ食いが起こりやすかったりする傾向がある100kg以上の男性にぴったり。オイルを先に摂るだけで満腹感が得やすくなり、自然と食べ過ぎを防げます。
ここでは、今日から無理なく始められる実践方法を3つ紹介します。
朝ごはんにオリーブオイルをプラスするだけで、オイルファーストダイエットを始められます。
オリーブオイルだからといって、洋食である必要はありません。オリーブオイルは、味噌汁に入れたり、冷奴にかけたりと和食にも合います。
忙しいときには、オリーブオイルをスプーン3杯ほど摂るだけでもOK。良質なオイルを朝しっかり摂取することで、血糖値を安定させやすくなります。
オリーブオイルでなくても、えごま油・亜麻仁油・MCTオイルなど、好きなオイルを選んで朝摂取してみましょう。
オイルと同じくらい優れているのがタンパク質です。タンパク質にも血糖値の上昇を抑える効果や食欲を抑制する効果を期待できます。
そのため、唐揚げを朝ごはんに取り入れると効果的です。糖質より先に脂質とタンパク質を入れることで血糖値の上昇がゆっくりになり、食後の眠気やだるさを防ぎやすくなります。
ただし、揚げ油が酸化していないことが前提で、コンビニ惣菜よりも自宅で新鮮な油を使った唐揚げのほうが理想的です。
家で使っている油を見直すだけでも、オイルファーストダイエットの第一歩となります。
サラダ油や安価な植物油を使っている場合は、オリーブオイル・米油・MCTオイル・えごま油などに置き換えることで、体内に取り込む油の質がよくなりますよ。
普段の調理油を変えるだけで、中性脂肪の蓄積を抑えつつ、満腹感を維持しやすい食事習慣に近づけられます。

オイルファーストダイエットは、空腹に弱く食事制限が続きにくい人でも、満腹感を得ながら自然と食べ過ぎを防げるのが魅力です。
良質なオイルを適量摂ることで、血糖値の安定・中性脂肪の減少・内臓脂肪の改善といった健康診断の数値に直結する効果も期待できます。
また、油の選び方さえ間違えなければ負担が少なく、日常生活の中で無理なく続けやすい点もメリットです。
ただし、持病がある人や服薬中の人、中性脂肪・肝機能の数値が高い人は医師に相談した上で行いましょう。正しく取り入れることで、食事を楽しみながら健康的な体を目指せますよ。