バーベキューやキャンプ、ハイキングなど、さまざまなアウトドアを楽しめる夏。「釣りに行こうかな」と思っている方もいるのではないでしょうか。
夏は、いろんな種類の魚が旬を迎えるシーズンです。淡白な味わいで食欲が湧かないときでも食べやすいものや、疲労回復に効果的な栄養を含んだ魚がたくさんいます。
今回は、夏の魚の中でも特に人気があるものと、おすすめのレシピや釣り方を紹介します。「夏に釣れる魚を美味しく食べる方法を知りたい!」と考えている方は、ぜひチェックしてみてください。
「夏の魚」といえば、アユやアジなどさまざまな魚が挙げられます。夏に釣れる魚のなかでも特におすすめの魚を、レシピと釣り方と共に10種類紹介しますね。
アユは、日本各地で釣れる川魚です。初夏に釣れる若鮎の体長は10〜15cm、成熟すると20〜30cmになります。
アユは別名「香魚(こうぎょ)」とも呼ばれており、水質のよい川で釣れた鮎からはスイカのような爽やかな香りがします。
アユを塩焼きにするときは、ヒレのすき間まで流水で丁寧に洗い、ぬめりをきれいに取りましょう。塩を多めにまんべんなく振りかけ、強火で加熱するとふっくらと焼き上がりますよ。
アユ釣りの解禁日は河川ごとに決められており、概ね6月1日前後、早い場所だと5月1日から釣ることが可能です。
釣り針におとりのアユを付けて、川に投げ入れてみましょう。おとりにアユが掛かってもすぐには引き上げず、ゆっくりとこちら側に引き寄せるのがポイントです。
イワナは、九州以北の冷たい川や湖に生息している魚です。種類により異なりますが、25cm前後が一般的なサイズ、30cm以上が大物とされています。
夏は産卵期に向けて脂肪を蓄えるシーズンなので、脂が乗った美味しいイワナが釣れやすいですよ。
イワナは淡白な味の魚なので、油で一度揚げることで香ばしさをプラスします。カラッと揚げるので、頭までがぶりと食べられますよ。野菜たっぷりのあんをかけると、食卓の主役になるレシピです。
イワナの警戒心を刺激しないよう、水面から少し離れた場所から釣るのがコツです。イワナがエサに食いつくのはほんの一瞬。タイミングを掴むことが大切なので、初心者は釣り慣れている人と一緒に行動するのもおすすめです。
キジハタは、味が良く漁獲量が少ない高級魚。標準的な体長は40cmで、赤い斑点が付いているのが特徴です。別名「アコウ」「アズキハタ」と呼ばれることもあります。
主な生息域は、日本海と瀬戸内海。メスとして子を持った後、さらに成長するとオスに性転換するのが特徴です。
キジハタの鱗は小さく、皮まで埋まっていることが多いため、下処理の際は皮ごと薄く除去していきましょう。サッと火を通したキジハタの刺身に醤油やタレを絡め、しゃぶしゃぶのように召し上がってみてください。
海水魚であるキジハタは、沿岸部の水深5〜25mの岩礁域に生息しています。岩の隙間に釣り針が引っ掛からないよう、注意するのがポイントです。
釣りを開始する前にエビ餌で撒き餌をしておくと、キジハタが寄り付きやすくなります。
スズキは、日本各地の海で生息している海水魚。標準的な体長は80cm、大きいものだと100cmにもなります。
スズキという名称になった理由は、すすいだように身が白いからだとか。時期によって味が異なり、産卵期を迎える直前の夏は特に脂が乗っていて美味しいですよ。
バター香るムニエルは、スズキを食べるときにおすすめのレシピ。フライパンで焼くときに皮を下にして弱火で加熱すると、皮はパリパリ、身はふっくらと焼き上がります。
スズキは、港の堤防や岸壁、砂浜など、海辺であれば比較的どこでも釣りやすい魚です。スズキの餌となる小魚がたくさん泳いでいそうな場所を探してみましょう。
慣れないうちはツアーに参加したり、漁船に乗せてもらったりして、スズキがたくさん泳いでいるスポットまで連れて行ってもらうのもおすすめです。
ヤマメは、河川の上流のなかでも、特に水が冷たいエリアに生息している魚です。ときにはダム湖や中流〜下流に下りてくるヤマメもいて、そのような個体は「戻りヤマメ」と呼ばれています。
背中側が黄褐色に染まっているのが特徴。環境省レッドリストにおいて準絶滅危惧種に指定されており、ヤマメが生息しているほとんどの河川では禁漁期間が設けられています。
渓流で釣れる魚でもトップクラスに美味しいと言われるヤマメは、天ぷらや塩焼きなどでいただくのがおすすめ。味付けもシンプルにして、素材そのものの味を堪能してみてください。
ヤマメには、上流に頭を向ける習性があります。いきなり上流から釣り針を入れると警戒されてしまうため、下流から少しずつポイントを移動しながら釣っていきましょう。
ヤマメの警戒心を増大させないよう、音を立てたり、水面に人の影が写ったりしないように注意することも大切です。
キスは、体長が最大30cmになる海水魚です。もともとは「キスゴ」と呼ばれていましたが、「ゴ」が省略されて「キス」という名称が使われるようになりました。
寒い時期は水深30〜50mのところに生息しているのですが、暖かくなると水深1〜15m地点まで移動してきます。繁殖期は初夏から秋口で、夏に釣りやすい魚です。
キスが大量に釣れた時は、身を細かく刻んでチーズと大葉と混ぜてキスボールにしてみましょう。パン粉を付けて油で揚げるとフライに、何もつけずに揚げるとさつま揚げ風になります。
キスが釣れやすいポイントは、砂浜の河口付近と堤防。川から流れてきたプランクトンに、キスの餌となるゴカイやエビが寄り付くため、キスにとっては絶好の食事スポットなのです。
堤防で釣りをする際は、釣り針や釣り糸が引っ掛かるのを防ぐため、岩や海藻がある場所を避けてください。
標準体長30cm前後、大物になると50cm前後にもなるアジは、スーパーでもよく見かける海水魚。「味」が名称の由来であると考えられており、味のよさが魅力です。
アジは本来回遊魚ですが、なかには特定の地域に住みつく「地付き」と呼ばれる個体がいます。地付きのアジは夏に旬を迎え、身には脂がしっかりと乗っています。
食欲が湧きにくい夏は、アジを南蛮漬けにしてサッパリといただきましょう。野菜も一緒に食べられるので、栄養バランスも取りやすいですよ。
アジは、朝・夕・夜の3つの時間帯が釣りやすいとされています。朝と夕方はアジの食料が海面近くまで上がるため、それに伴いアジも浅瀬までやって来るのです。
夜は常夜灯の光にプランクトンが集まり、プランクトンを狙ったアジも釣りやすくなります。足元が見えにくいので、十分注意しながら釣りを楽しみましょう。
鈍い銀色の光沢と平べったい形からその名が付けられた「太刀魚」。全長は100cm以上と、人間の子どもより大きくなることもあります。
水深350mよりも浅い大陸棚に生息しており、成魚と幼魚では異なるサイクルで移動するのが特徴です。成魚は日中に海面近くで泳ぐのに対し、幼魚は日中は深いところで泳ぎ、夜になると浅瀬まで上昇します。
クセのない味わいのタチウオは、醤油や生姜でしっかりと味を付けて唐揚げにしましょう!タチウオの身は薄く、すぐに火が通りやすいため、焼き色が付いたらすぐに上げるのがコツです。
タチウオを釣る方法は、陸からと船からの2種類があります。陸から釣るときは水深のある海域付近の防波堤で、タチウオが海面近くにやってくる時間帯を狙いましょう。
船から釣るときは、タチウオが動きに付いて来られるよう、釣り餌をゆっくりと動かしてみてください。
レンコダイは、口が黄色いことから別名「キダイ」とも呼ばれています。年数を重ねるごとに大きくなるのが特徴で、1年で全長9〜11cm、4年になると全長22〜27cmまで成長します。
背びれや尾びれの鮮やかな赤色が印象的で、食卓に並べると場が華やぐこと間違いなし!夏は身に脂が乗りやすく、美味しく食べられます。
鯛のなかでは比較的安価で入手できるレンコダイは、贅沢にまるごと1匹使って酒蒸しにしてみましょう!酒のコクと野菜の旨味がレンコダイの身の奥まで染み込み、ご飯と一緒に食べたくなりますよ。
レンコダイは水深50〜200mの海底付近に生息しています。釣り方は、漁船に乗って釣るのが一般的。レーダーなどの反応を見て釣れるかどうか判断した船長・船員の言葉を聞き逃さないようにしましょう。
カンパチは、成長とともに呼び方が変わる出世魚です。関東では80cm〜、関西では60cm〜の個体が「カンパチ」と呼ばれています。
頭部を上から見たときに漢字の「八」のような模様があることから、「カンパチ」と名付けられました。クセの少ない味わいが魅力で、刺身や寿司などの生食向けの魚として好まれています。
カンパチは加熱すると身がパサパサしやすいため、刺身にして食べるのがおすすめです。プリプリの身にワサビと醤油をちょこんと乗せて召し上がってみてください。
カンパチ釣りは船から行うのが一般的ですが、若いカンパチは浅瀬を回遊することもあるため、潮や群れの動きによっては堤防からでも釣ることが可能です。
釣り竿に反応があっても一旦じっくり泳がせて、確実に食いついてから釣り上げるようにしてみてください。
夏の魚はあっさりとした味わいのものが多く、食欲が湧かない日でも食べやすいのが魅力です。
ご紹介した魚を釣ったり購入したりして、ぜひ今回のレシピで夏の暑さを乗り越えてみてください。