心も体もビックな人の超一流な取り組みを掘り下げる「BIGな流儀」。日本各地で活躍するビックな人たちが熱く掲げる「世界中の人たちを笑顔にする」本気の取り組みに密着するL-lifeの連載5回目。
BIGな流儀Vol.01 障害児通所支援事業所を展開する鈴木彰伯氏(116Kg)
BIGな流儀Vol.02 沼津=北伊豆計画の先導者 沼津の魅力を発信し地域活性化に挑む小池祐一郎氏(110Kg)
BIGな流儀Vol.03 心も体も軽くする、五感に癒しを与える温もりの鍼灸師 大森太亮氏(105Kg)
BIGな流儀Vol.04 音楽は無限の可能性 音の力で誰かの勇気になり続けたい 声で魂をゆさぶる声楽家 河野陽介氏(102Kg)
社会貢献という名のビッグメンたちの本気の取り組みが世界中の様々な人の人生に楽しさという彩りを添える。大きいサイズのメンズ服通販サイト「ミッド・インターナショナル」が展開するビックサイズプロジェクト、「Proud of 100k(プラウド・オブ・ワンハンドレッド)」のモデルや日本各地で活躍するビックな人たちの想いを届ける連載企画第5弾。
まもなくお彼岸を迎える9月中旬。息苦しいほどの湿度と暑さの中、待ち合わせ予定時刻より20分も早く颯爽とあらわれたのは、太陽のように鮮やかなオレンジ色のつなぎを着こなす今回の主役「Obee(オビー)」さん。鋭くクールな眼差しと迫力のある雰囲気にややひるむ取材スタッフたち。
しかし・・・
「よろしくお願いします。今日はお声がけいただきありがとうございます。」
初見の迫力をあっさり裏切る、爽やかで紳士的な挨拶に一瞬ときが止まった。この冒頭の挨拶たったひと言だけでObee氏の見た目と中身のギャップを知ることに。
本日の主役は大きいサイズのメンズ服通販サイト「MIDinternational」で活躍中のモデルObeeさん。本業はドライバーだ。この日も早朝から荷物を運び、取材に間に合うように時間配分をきっちりおこない、20分も前に待ち合わせ場所まで来てくださった。
「仕事も遊びも全力投球!」が基本というObeeさんは、常に自分自身をアップデートすることに余念も迷いもない。何でもそうだと思うけど、知らないより知っている方が絶対に人生は楽しくなる!、そう豪語する通り、幼少時代からポジティブマインドは人一倍強く、いくつもの習い事にもチャレンジしてきたという。
「自分は小学生の時に野球をやっていたんですけど、戦力型のチームとそうでないチームに振り分けられて、僕は後者でした。エンジョイチームって呼んでます(笑)でも、実はこのエンジョイチームは戦力型チームよりも公式大会では良い成績を残せたんですよ!くじ運もありますけど・・・。楽しんで野球をやっていたら結果、大会にも勝てて、楽しむことって時にすごい力を発揮するものなんだなと思ったんです。運も実力のうち、どんな状況や環境でもどう楽しんでやるかっていうマインドが大切なんだなと学びました。だからこそ人生はなるべく楽しい方に比率を置きたいんですよね。こういう経験を幼少の頃に出来て、楽しさの大切さに気づくことができていたのは幸せだったなと。」
「楽しい」を追求した結果、勝利にも仲間にも恵まれることになり、自分はラッキーだったと語るObeeさん。この頃から類い希なるポジティブマインドと探究心、人を惹きつける力が発動していた模様。野球以外にもいくつもの習い事をこなし、高校生になるとそのポジティブマインドと探究心の矛先が「ファッション」へと移行したという。
とはいえ、ファッションや服自体に強く興味が湧いたというよりは、ある日、「あれ?いま俺ってパンツ2本しか持ってない・・・え?これってヤバくないか?」という、ファッションへの危機感と不安がきっかけだったそう。ファッションに対する強い興味から、服屋でアルバイトを始めるようにもなり、服への探究心はどんどん増していったという。その探究心をさらに加速させたのが大学生時代。
「goro`s(ゴローズ)とか、めちゃくちゃ良い物ばかり持っている友人がいて、彼と出会ったときに彼と差別化するためにはファッションの種類を増やさないとなと思ったんですよ。人と同じを追求していくのではなく、僕なりの極みというか勝てない相手がいたとしてもどうやったら違いを作れるか?と。」
そこから自分に似合う服、自分が好きなファッションへの探究が始まったと語る通り、この日、Obeeさんが持参してくれた古いアルバムには、B系やアメカジファッション、バイカー系など様々な服を楽しむ大学生時代のObeeさんの姿があった。
人の真似ではなく、常に自分らしく、自分の好きな物を追求する。他人が身につけている物、兼ね備えている物を指をくわえてただ羨ましく思うのではなく、出会った人や物をきっかけに違いや自分なり(Obeeなり)を追求していくことに楽しさを見いだしているObeeさん。幼少の頃からアクティブで人の輪の中心にいたというが、このポジティブな気質はそもそも一体どこからきたのだろうか?
「あー、このポジティブさはズバリ名前からでしょうね。本名は「ようすけ」なんですけど、太陽の「陽」で陽介なんです。太陽の「陽」を背負っている限り、太陽と同じぐらいのあっつい存在でいないといけないんじゃないかなと思っています。あと、やっぱり楽しい人の周りには楽しい人が集まるんじゃないかなと。名は体を表すではないですけど、「ようすけ」が別の漢字や名前だったら変わっていたかも知れませんね。この名前にはもっとエピソードがありますけどそれはまた別の機会にでも。」
名前通りの自分でありたい、そう笑顔であっけらんかんと話すObeeさん。自分の周囲には楽しいこと・馬鹿なことを全力でやる人がたくさんいて、その先輩方からの影響もかなり大きいという。
「楽しめないと何事も続かないし、僕の原点は「楽しい」なんですよね。楽しいを作るために僕がしていることはアンテナを立てまくることです。ポジティブになれない人は、ただ知らないだけなんですよね。アンテナを四方八方に立てて、いろいろなことに興味を持つ、知ると一歩前進しやすい。僕は周りの人達からそれをたくさん教わりましたね。」
自分の名前にポジティブ使命を持ち、楽しさを追求する生き方が類い希なる探究心や行動力を生み出しているObeeさん。取材開始数分でその考え方に影響を受け始めている撮影スタッフの表情の変化にこちらが驚く。自分だけでは無く、周囲までも楽しく巻き込む!それが超ポジティブ男の当たり前だ。
考え方1つで変わる、そう言い続けるObeeさん。とは言え、体が大きいことに対して周囲からネガティブな声がゼロだったわけではないそうだ。
「Obeeは体が大きいのに、カッコよくなることをあきらめていないよね、スゴイよね。」
同じく体の大きい友人からそう言われた時、心の底から違和感を強く感じたという。
「え?!なんで?体が大きいとか太っていると何かマズいの?自分より太っていてカッコいい人は世界中にたくさんいるよ!って本気で思ったんです。太っているというだけで、かっこよくなれないって思ってるの?マジで?!とびっくりしました、本当に衝撃でした。体が大きい=あきらめる、そんな友人の概念を覆し続けるためにも僕はカッコいいを追求しているのだと思いますね。」
「太っているのに」、「デブなのに」という言葉を何度も聞いてきた。そのたびに、体が大きいこととカッコよくないことはイコールではない、太っているからカッコよくなれない、という概念を打破したいという気持ちが湧いてきたという。
「大きい体は希少価値が高い、100㎏の壁を超えられるのは才能の証なんですよ。太りたくても太れない人もいるし、僕のお腹を触りながら本気で、『いいなぁ~』という人もいる。価値観は人それぞれですし、太っていることが必ずしもデメリットだとは僕は思わないですね。むしろ、100kgを超えられるなんて才能でしかないですしね。」
自分に出来ること/出来ないこと、楽しいこと/楽しくないことを明確にし、出来ることの中で更に出来ることや楽しいことを追求、最終的に自分の願望を成就させていく。
「太らないようにダイエットするっていう選択肢は僕の中にはないんです。だからそれは置いておいて、かっこよくなれる方法ってなんだろう?って考えるんです。着たい服のサイズが無ければ海外のサイトもくまなく探してみるとか、似たような服があればアレンジして自分の理想に作り変えるとか。服や自分を楽しむ方法はいくらでもあるんです。あとはやるかやらないか、ただそれだけです。」
体が大きいとか小さいとか、若いとか若くないとか、楽しまない言い訳はいくらでもあるけれど、やるかやらないか、ただそれだけ。Obeeさんの芯にある考えはどこまでもただただシンプルだ。この日、Obeeさんの言葉に何度うなづいたかわからない。
取材当日、Obeeさんが着用していたFORECAST(フォーキャスト)のオレンジ色のつなぎはもともと長袖だった。本当は半袖のつなぎを探していたけれど見つからなかったという。だから長袖を買ってお直しをしてくれるところを探し、わざわざ半袖にカットしてもらったそうだ。袖をまくるという選択肢はなく、バッサリ半袖に切る。このつなぎはObee流のカッコよさとこだわりの象徴だ。
https://www.bigsize.co.jp/coord_item/13732/
「大きいはカッコイイ」を追求し続けるObeeさん。大学生時代の経験を経て、ファッションへの想いは人一倍強いと語る。「流行や誰かが着ている物ではなくて、自分が着たい物を着る。それが一番です。」その言葉の通り、自身の仕事着はアメリカから取り寄せたり、さらには自分流にカスタマイズを施すほど。なかでもアクセサリーへの拘りは強い。
PO100K、ミッドモデルとして活躍するObeeさんは、MID側が用意した服をただ着るだけではない。モデル撮影時には必ず私物のアクセサリーを持ち込み、Obee流の世界観を創り出しているという。
「用意された、指定された服をただ着用するより、実際に自分が持っている小物と合わせてみたい気持ちが強いです。実際には1度にトータルで洋服を購入することってふだんあまりないので、手持ちの物と合わせるとどうなるだろう?とか想像しますね、体が大きい人はそういう買い方が多いと思うので、自分のアレンジが少しでも参考になったらなと思ってモデルをやらせてもらっています。」
冒頭でもお伝えしたように元々おしゃれが好きだったわけではなく、10代のある日、突如感じたファッションに対する焦りから、おしゃれへの探求心が爆発した。これもObeeさんのとことん何かを突き詰めていくという探求心の現れだろう。
何事もはじめるに遅すぎることはない、探求することは常に自分を成長させ、今までの自分をアップデートすること。自分が更新されると、より高い目標にチャレンジしたくなる、探求心は自分を変化させるためになくてはならないもの。Obeeさんの話を聞いているとそう感じずにはいられない。
ファッションを愛し、ファッションと丁寧に向き合うことも忘れないObeeさん。「身につけるものは長く、大切に扱いたい、こだわりももちろん!」と言う。手入れされたアクセサリーや小物の数々に愛情や人としての実直さがにじみ出ていた。ただこだわるのでは無く、これだ!と思った物、探求し続けたものだからこそ愛情深く向き合う姿が印象的だ。
おしゃれを楽しむことも、ファッションに拘りを持つことも、太っているからに限らず、○○だから○○なのにと、やる前から諦めるのでは無く、どうなりたいか?を設定し、やれることをやってみる、そうしたら何かが必ず変わると言う。常に自身をアップデートしていく姿に、こちらまで何かとんでもないことが出来そうな気になってしまった。
そうやって周囲を巻き込み、大勢の仲間と信頼関係を築いてきたObeeさん。体が大きいことは自分の特徴で個性。その個性を存分に活かし、「大きいはかっこいい」を自分が先頭に立って発信していきたいという。
とにかくポジティブで真っ直ぐ。見ていて気持ちがいいObeeさん。彼なら必ず大きいはカッコいいを具現化し、日本全国へ波及させていくだろう。でもふと思う、これが出来るのはObeeさんだからなのでは・・・?と。体が大きいことに対し、ネガティブな気持ちを持っている人もまだまだ多い。Obeeさんのように行動力を持つにはどうしたらいいのだろうか?
「僕は特別な事は何もしていませんよ。自分ができることはみんな出来ると思っています。例えば、フットサルをやりたいと友人が言ったことがあるんですが、僕はまず人を集めるために即行動しました。
行動といっても大それた事では無くて、スマホに登録してある電話番号の上から順に連絡していきました。「フットサルやりませんか?」って。もちろん断られることの方が多かったですが、中には自分はやらないけど知り合いが興味あるかもしれないからと、友人知人に連絡してくれる人もいて、最終的には予定人数を集めることができました。断られたらどうしようとか、電話するのが怖いとかは置いておいて、まずは目的を達成するために自分にできることは何かって考えて、ただ行動することが大切だと思うんです。ね?電話するだけ、誰でも出来るでしょ?」
ゴールから行動を考え、自分にできることを目いっぱいやってきた結果、多くの仲間を引き寄せ、人生を自分を常にアップデートしている。行動するかしないか、やってみてダメならいいけどやらないのはただの損。楽しいと思ったことをただひたすらやってみる、でもそれも楽しくなかったら意味が無い。そうはっきり言い切るObeeさん。大きいサイズの通販サイトミッド・インターナショナルでモデルに挑戦しているのも「楽しい」と思ったからだそうだ。
モデルになったきっかけはファッションへのこだわりの延長だったのだろうか?
「いえ、もともとは家族の知人からミッドを紹介してもらいました。それこそお直しきっかけです。で、モデルを募集していると聞いて、それで電話をかけました。モデルの話を聞いたときは、何か面白そう、これは自分に対する挑戦状か?と思ったんです、思ったら即行動です!」
ミッドモデルとしてはまだ1年(2024年現在)にも関わらず、PO100Kのプロモーション動画の出演やMID飯でのレシピ考案など、楽しい事へ積極的に関わっているObeeさん。
「自分のやっていることをきっかけに、行動してみようとか自分を変えたいとか、そんなビックサイズな人達が増えたらめちゃくちゃ楽しいですよね。」
せっかくの人生、楽しく生きるに超したことはない、自分の好きな人達と好きなことをする。そのためには、自分自身もそれに見合う人間性を磨いていくことが大切。だからこそ様々なことにチャレンジし、行動&アップデートだと語るObeeさん。そこに体が大きいとか小さいとかは全くもって関係がないのだ。
常に自身をアップグレードさせていくためには向上心はもちろん、好奇心や探究心を忘れないこと。自分が大きいサイズを引っ張っていくアンバサダーとして存在することで、周囲が自分のようになりたいと目指してくれたり、ポジティブな発想になってくれるよう、今後もビックサイズアンバサダーとして大きいサイズの業界を変えていく取り組みをしたいと話す。
その一歩としてSNSも立ち上げ、ファッションはもちろん自分の生き様などを発信しているという。
ビックサイズモデルやPO100Kでの活躍が大きく拡がりを見せる中、最後に今後のObeeさんの夢や展望を伺った。
「夢とか展望というとちょっと大げさかも知れませんが、自分のような人間がいるということを知ってもらって、とにかく楽しそうだなとワクワクしてもらえる原動力になりたいです。」
行動力抜群でポジティブの塊のようなObeeさんだが、ObeeさんをさらにObeeたらしめる存在が周りにたくさんいたという。友人の生き方や先を行く人生の先輩たちに発破をかけられながら、「負けたくない」「あいつスゴイな」「もっと楽しみたい」そんなふうにどんどん貪欲になっていったという。
「行動しないのはやり方がわからないだけで、目の前に見本があればきっと誰でも飛び込めるはずなんです。行動に起こせないのは周りにその見本を見せてくれる人がいないだけ、なので自分が大きいサイズモデルを通じて一歩踏み出す見本のような存在になれたらと思っています。」
人生は楽しくあるべきというObeeさんは、その考え方を多くの世代に波及していきたいという。
「今は多様性の時代。体が大きいことは個性であり強力な武器でもある、その個性を存分に活かしてほしい。」
検索すれば簡単に答えが出てしまうことも少なくない情報過多の世の中では、熱中する物を見つける前に、諦めや悲観などから一歩踏み出さない人もいる。だからこそ、Obee流の楽しさを追求した生き方で、根拠無く心が動く「なにか」を若い世代にも見つけて欲しい、誰かの発言や行動がだれかの人生を彩ることがある、自分もそういう存在でありたいと語ってくれた。
他人にどう思われても自分が楽しく、自分がかっこよくいられることが1番。ミッドのモデルに応募したのも、PO100Kにエントリーしたのも、全ては自分の心に正直にただ面白い方へと舵を切った。ファッションも同様、自分が着たい服を着る、尖りたければ尖る!
ファッションに留まらず、そのポジティブな思考や爆発的な行動力、飽くなき探求心を武器に、誰もが想像しなかった世界を作り上げるObeeさんの今後の活躍が楽しみだ。
ビックサイズ アンバサダー Obee(オビー)
出身:岐阜県
活動:ミッド・インターナショナル5Lサイズモデル / MID飯アンバサダー / PO100K
https://www.bigsize.co.jp/proudof100k/OBEE/