「少し動いただけで汗だくになる…」「夏は外に出るのが憂うつ」「汗のニオイが気になる」
そんな汗っかきに悩んでいる人は意外と多いのではないでしょうか。
特に、体型に自信がない人は「太ってるから汗っかきなのかな?」「それとも代謝がいいだけ?」と疑問に思うこともありますよね。
この記事では、汗をかきやすくなる原因や太っていることとの関係性、今すぐできる汗対策・体臭対策まで詳しく解説します。
太ってる人に汗っかきが多いのは、体内に熱がこもりやすく、体温調節がうまくいかないためです。
人間の体は、体温を一定に保つために汗をかきます。汗が蒸発する際に発生する「気化熱」によって、皮膚表面の温度を下げ、体の熱を逃がす仕組みです。
しかし、太ってる人は体の中に皮下脂肪が多く蓄積されています。脂肪は熱を通しにくい性質があるため、体内で発生した熱が皮膚までうまく届かず、熱が体にこもりやすい状態に。
この状態が続くと、体は「体温が上がりすぎている!」と判断し、大量の汗をかいてなんとか冷やそうとします。つまり、体脂肪が断熱材のように働いて熱を逃がしにくくしているため、必要以上に汗をかいてしまうのです。
このように、太っている人が汗っかきなのは、代謝が良いからではなく、体内の熱をうまく逃がせない「異常な暑がり」の状態とも言えます。
「汗っかき=代謝がいい」と思われがちですが、必ずしもそうとは限りません。代謝が悪くても、汗っかきな人もいますよね。
代謝の良し悪しで汗にも違いがあります。ここからは、代謝がいい人の汗と代謝が悪い人の汗の違いや特徴を解説します。
代謝がよい人は、汗のニオイが少なくサラッとしていて、不快感もほとんどありません。むしろ汗をかいた後はスッキリとした爽快感があり、気持ちよく感じることが多いです。
代謝がよい人は、体内でのエネルギー消費が活発なため、体温も自然と高く保たれる傾向があります。そのため、少し動いただけでも体が効率よく熱を生み出し、それを冷やすために汗をかくので、汗っかきな人も多いのです。
一方で、代謝が悪い人はエネルギーの消費効率が低く、体温が低かったり、冷え性だったりすることが多いです。それにもかかわらず、汗を大量にかく場合、それは体温調節のためではなく体の機能が乱れているサインかもしれません。
特に肥満傾向にある人は、代謝が低いにも関わらず体に熱がこもりやすいため、「代謝が良くないのに汗をかきやすい」状態に陥りやすいのです。
「ちょっと歩いただけでびっしょり」という人は、体質以外に何らかの原因が隠れているかもしれません。
実は、汗っかきには病気や更年期障害など、さまざまな要因が関係していることがあります。ここでは、太っていない人でも汗っかきになる原因を3つご紹介します。
汗っかきの背景には、疾患が隠れているケースもあります。
上記に挙げた病気以外にも、さまざまな疾患が関連する可能性があります。
また、甲状腺機能亢進症や低血糖は、全身に汗をかきやすく、脳梗塞は、部分的に汗をかきやすい傾向にあります。疾患によって汗をかく場所に違いが現れることがあるため、汗のかき方をチェックしましょう。
顔のほてり・大量の顔汗が気になるときは、熱中症が疑われます。汗を大量にかくと、脱水状態となり、嘔吐や倦怠感などの症状が出ることも。
夏は汗をかきやすい季節ですが、いつの間にか熱中症や脱水状態になっていることも少なくありません。熱中症や脱水症状を起こさないためには、水分をこまめにとりながら、無理せず行動する必要があります。
「急に汗の量が増えた」「汗が長く続いている」「体重減少や動悸がある」など、何か違和感を感じた場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
多汗症は、必要以上に汗をかく疾患です。多汗症には、原因がはっきりしない原発性多汗症と、他の病気が関係している続発性多汗症の2種類があります。
多汗症の特徴は以下の通りです。
脇汗や顔汗など、体全体ではなく、特定の部位から大量に汗が出るときには、局所性多汗症かもしれません。
多汗症の治療方法はさまざまありますが、外用薬・注射・手術などがあるため、専門医の診察が有効です。
特に45歳〜55歳くらいの女性で、「突然汗が噴き出す」「顔汗がひどい」といった症状が出る場合、更年期障害が原因の可能性があります。
更年期は女性ホルモンの分泌が急激に減少し自律神経が乱れるため、上記のような症状が出やすくなります。
汗っかきの人にとって、日常を快適に過ごすためには汗・汗のニオイ対策グッズの活用が欠かせません。体質や季節に合わせて上手に使えば、不快感や体臭の悩みも軽減できます。
ここでは、手軽に取り入れられて効果も高いおすすめのアイテムを3つご紹介します。
汗のニオイを防ぐ基本アイテムとして欠かせないのがデオドラントです。体臭や脇汗対策に使用している人も多いのではないでしょうか。
スプレータイプ・ロールオン・クリームなどさまざまな種類があり、目的や使いやすさに合わせて選ぶのがポイントです。
特にアルミニウムなどの制汗成分を含むタイプは、汗腺の活動や発汗そのものを抑える効果を期待できます。外出前や朝のルーティンに取り入れると、1日中快適に過ごせますよ。
インナーを変えるだけでも汗対策ができます。
汗ジミ防止パッド付きのインナーや、抗菌・防臭加工がされたタイプがおすすめです。さらに、吸汗速乾性に優れた素材のインナーを選べば、汗を素早く吸収して蒸発させ、ベタつきやニオイを軽減してくれます。
肌に直接触れるものだからこそ、汗っかきな人はインナーにこだわりましょう。
汗をかいた後の不快感をすぐにリフレッシュしたいときに便利なのがボディシートです。外出先や職場でも手軽に使えるため、バッグに1つ入れておくと重宝します。
メントール入りのタイプは、ひんやりとした清涼感が得られて気分もリセットできます。また、消臭・除菌効果のあるタイプを選べば、汗のニオイ対策としても効果的です。
少しの運動でも大量に汗をかいてしまう人など、汗に悩む人は、「できるだけ汗をかきたくない…」と思うものですよね。
とはいえ、汗を完全に止めるのは難しいため、日常生活の中で少しずつ汗をかきにくい体質に整えていくことが大切です。無理なく生活に取り入れられる工夫を続けることで、汗の量を減らすことにつながりますよ。
汗っかき体質を根本から改善したいなら、まずはダイエットが効果的です。脂肪は熱がこもりやすい性質を持っており、肥満傾向にある人ほど体温調節がうまくいかず、汗を大量にかいてしまいます。
体重を落とすことで、熱のこもりやすさが軽減され、汗の量も自然と減る可能性が高くなります。無理な減量ではなく、健康的に少しずつ取り組むことが大切です。
運動は、ダイエット効果としてもおすすめですが、自律神経や汗腺の働きを整える効果も期待できます。特にウォーキングやジョギング、ストレッチなどの有酸素運動は、汗の出方を正常に戻すのに効果的です。
また、20分以上続けると脂肪燃焼効果が高まるため、まずは20分程度のウォーキングから始めてみましょう。運動する際には、熱中症・脱水対策として、こまめな水分補給が大切ですよ。
汗っかきを悪化させる要因のひとつが、乱れた生活習慣です。寝不足やストレス、過剰なアルコール摂取などは交感神経を優位にするため、大量の汗の原因にもなります。
毎日の生活リズムを整え、しっかり睡眠をとり、ストレスをためすぎないことが汗対策にもつながりますよ。
食事も、汗っかき体質を改善するうえで重要なポイントのひとつです。食生活が乱れると、自律神経やホルモンバランスが崩れやすくなり、汗の量や体臭に影響を与えることがあります。
また、食べる内容によっては皮脂の分泌が活発になり、嫌な汗のニオイの原因になることもあります。特にカフェイン・辛い食べ物・すっぱい食べ物・アルコールなどは避けて、1日3食バランスの取れた食事を心がけましょう。
汗に関する悩みや疑問は、人によってさまざまです。ここでは、汗っかきに関するよくある質問にお答えします。
汗をかくことが必ずしも「代謝がいい」という証拠とは限りません。
たしかに代謝がよい人は、体温が上がりやすく汗をかきやすい傾向にありますが、汗の量は体質・肥満・病気・自律神経の乱れなどさまざまな要因で決まります。
また、「よく汗をかく=痩せやすい体質」とも言い切れません。代謝がよいから汗をかきやすいとも限らず、代謝が悪くても汗をかきやすいことがあります。つまり、痩せやすいとは限らないのです。
太っている人は、体内に熱がこもりやすく、それを逃がすために汗が多く出る傾向があります。そのため、少しの運動でも大量に汗をかくことも。
また、肥満ではない場合、さまざまな病気や多汗症や更年期障害などが原因で汗をかきやすくなっている可能性があります。
汗をかきやすい人には、以下のような特徴があります。
いくつかの要因が重なって汗をかきやすくなっている可能性もあるため、まずは生活習慣や食生活を整えることから始めてみましょう。
汗のニオイが気になる脇汗は、汗をかく前のデオドラントがおすすめです。朝出かける前にデオドラントを使っておけば、体臭が気になりにくくなります。さらに、汗ジミ防止パッド付きのインナーを使えば、脇汗対策になりますよ。
人の目につきやすい顔汗は、顔用の冷感シートを使うとスッキリと拭き取れます。顔汗用の制汗クリームも販売されているので、気になる人はチェックしてみましょう。
髪が濡れるのが気になる頭の汗は、頭皮用の制汗スプレーがおすすめです。スーッとするメントール配合なら心地よさがあり、さらに汗のニオイ対策もできます。
部位に合った汗対策をしてみてくださいね。
汗っかきの原因は、代謝だけではなく、体型や生活習慣、さらには病気が関係していることもあります。
特に太っている人は、脂肪の影響で体に熱がこもりやすく、必要以上に汗をかいてしまうことが多いです。しかし、生活習慣を見直したり、適度な運動や健康的な食事を取り入れることで、汗の量を減らすことにつながります。
「汗をかきすぎてつらい」「体臭が気になる」と感じたら、無理をせず、自分の体と向き合って対策を始めてみましょう。どうしても気になる場合は、医療機関で相談するのも一つの選択肢です。